プレゼントは、

 

「先生」

「なあに」

「僕は先生のこと、好きみたいですよ」

「うふふ、ありがとう」

 

・・・からかっていると思われたのだろうか。 

先生は笑いながらおみやげ、と言ってクッキーを出してきた。

いつもならすぐに手を出すところだが、僕はちょっと堪えた。

 

 

「あら、要らなかったかしら?」

「要るとか要らないとか、そういう問題じゃありません。僕は想いを伝えましたよ」

「そうね、その通りだわ」

「じゃあ、」

 

応えてくださいよ。

なんて言う暇もなく。

僕は口をふさがれていた。

 

 

「・・・もらって頂戴」

 

 

なんたる不覚。

僕の理性が崩れるまで、そう時間はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

(ははは、先生のほうがいつも一枚上手だ)